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社長のぼやき

3.11を考える

2023-03-13
3月11日、福島県に住む、いや、東北どころか日本に暮らす人間にとって忘れてはならない大切な一日である。
2011年3月11日、午後2時46分。その時刻以前と以降で人生が一変したわけで、その瞬間のことは今でも容易に思い出すことができる。
もう12年も経ったのかという感覚と、まだ12年かという思いが交錯する。きっと何年経っても毎年同じことを思うのだと確信している。そのぐらいこの身体に、脳裏に焼き付いている経験なのである。
 
辛い思い出は忘れたいと思うのは人の常ではあるが、毎年この時期になれば各種メディアやNPO、ボランティア団体が追悼や震災を風化させないと様々なイベントや式典、特集を行っているため嫌でも目や耳に入ってくる。
 
一昨年、震災から10年の区切りといった年に妻と話しているときに、「毎年この時期が来ると憂鬱な気持ちになる」と言っていた。震災時の映像や語り部が体験をテレビなどで繰り返し語り、放映されることでトラウマのような気持ちが沸き上がってくるのだそうだ。
 
正直言えば、その思いはものすごく理解できる。確かに震災を風化させないように振り返ることは大切ではある、特に被災地から遠くに住まう人にとっては防災意識の醸成であるや、心を寄せて東北の復興に協力しようという気持ちを高めるためにも有効的でいいのですが、一方でこのような気持ちで3月11日を迎える人もいるのだと考える必要があるのではないだろうか。

被災者は幅広く、津波で家や大切な家族を失った方や震災を起因とした原発事故(人災であるとも言われますが)によって故郷を追われ未だ帰還できない人もいます。つまり、地震による被災と原発事故は厳密にいえば分ける必要があると思います。
また、福島県内にも会津地方や中通りに暮らす我々のようなある程度立ち直って以前と変わらぬ暮らしをしながらも言い表すこともできない風評被害などに苦しみを抱えている人もいます。
 
前を向いて既に歩き出している人やまだ傷が癒えずに立ち止まっている人、中には思い出したくない人だっているかもしれません。

日本人としては当然この日や記憶は大切で、絶対に忘れてはいけないわけですが、報道の在り方、記録の仕方などはそれこそ多様性が必要なのかもしれません。
メディアの自己満足、震災記憶の押し付けになっている可能性もあるのではないかと報道番組を見ていて感じることがあります。この原発事故を何かの目的のために利用されてはいけません。科学技術は既存の原発の運用や廃炉のためにも引き続き研究は必要ですし、人材育成は今後の課題となるでしょう。

ただ、この報道の在り方やセンセーショナルな映像、編集の仕方はは人によっては、感情が煽られ、苦しくなり、震災ハラスメントとして捉えてしまう危険性もあるのかもしれませんね。


毎年、3月11日は心を穏やかにして、亡くなられた人に心からの哀悼の意を捧げ、命ある我々が元気に暮らせていることに感謝する。そんな静かな一日にしたいなと思います。
 
地震は自然災害です。防ぎようのない自然の脅威です。でも、自分たちの備えによって「減災」させることは可能です。
地域の避難場所や経路、自宅の防災グッズなどあらためて見直してみて家族で災害について話してみてはいかがでしょうか。
西武エステートシステム株式会社
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